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Pensa Suhr / JB CUSTOM


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共に歩んできた、自分の原点だといえる一本


93年製 今はなきNYの伝説的工房であるペンザ・サー。
コンポーネント系・アクティヴJBがセッション・ミュージシャンの間で
定番となった90年代、そのハシリともいえるのがこれだ。発売当時は高嶺の花
として羨望を集めていた楽器だそうで、楽器全体の価格がここ数年で急激に高騰した
今でこそ珍しい値ではないが、10数年前の流通当時に破格の70‐80万
で取引されていたという恐ろしい楽器でもある。

重いベースが良いとされた当時の風潮を反映してか、5.0kgと重量感がある。
初期Sadowskyに近い、NYスピリットの強いサウンドは正直時代感も隠せないが
アンサンブルによく収まると同時に、耳にずっと残るような独特の甘みのあるトーンと
うねりまくるローが印象的なサウンドのジャズベとして、自分の中で頼りにしている存在。

これは、現在ATTELIER Zのメインビルダーであるマスヒノ氏がNY時代に組んだもので
コレクターが手放したモノを2001年に購入した。学生時代、サポート活動をスタート
させた頃からの付き合いであり、思い入れが深い。就職活動をドロップアウトし
音楽の道に進もうと決心した時期、ふと立ち寄った見知らぬ楽器屋で
待ち構えるかのように既にアンプの前にセッティングされていた
pensa。店に入って見つけた瞬間を今も忘れない。

それまでの俺は、ろくな楽器を持っていなかったわけで
今後、ミュージシャンとして仕事を請けていく覚悟の意味でも
申し分のない「いいベース」が一本必要だった。その時期に偶然
出くわしたこのpensaはとても輝いて見えた。入荷したばかりでまだ
値段も決めていないという店員に、これいくらでも絶対買うから!と意気込ん
でいた俺・・・若かった・・・。今考えると温情だったのかもといえる値段を提示され
購入・・・。その後に待っていた、この楽器と苦楽を共にする月日のめまぐる
しさを考えると、特別な出会いだったんだなと切なめに反芻してしまう。
ミュージシャンとしての自分はこの楽器と共に成長し、共に
キャリアの足場を築いてきたことは間違いない。


重たいという理由だけでw最近ではライブでの登場頻度は減ったが、ここぞという
REC現場では常にトップ・プライオリティで積極的に投入しているという点で
未だにメインベースといえるかもしれない。マスタリングまでトラックに
太いまま残ってくれるという実感があるし、たよりになる一本。
今までのREC音源の70%はpensaで占めている。

ペグ、ノブ、ボリュームポッドなど交換した以外は
当時のままの仕様。ブリッジが徐々に禿げてきている
あたりに年期を感じるが、それも年式の重みという感じです。
酷使してきているのにも関わらず、ネックなどは調整いらずで頑丈。
今年の頭にメンテナンスに出したときに、使い勝手を考えて2Volを1Vol,
1Balancer構成に改造。SleekEliteの広瀬さんいつもありがとうございます。
by watarumble | 2007-09-06 11:11 | Instruments
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ベーシスト、鈴木渉の過去ブログ。(2005.5-2008.7)

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