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Freedom Custom Guitar Research / PB(Semi Ordered)

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フリーになって最初の誕生日に購入したfreedomプレベ


2007年2月23日、27を迎えた誕生日に購入。実はこの歳になって
初めて買った、パッシヴ(トラディショナルかつ原始的な作りの)ベースである。
いままではアクティヴ(ローノイズでパワーがありサウンドも臨機応変に対応できるの)
一辺倒、ある意味温室育ちだった自分としては、記念すべき第一歩となるベンチマークである。

パッシヴのプレベというと、エレキベースの始祖的存在にして、かつ代表的モデルであるにも
関わらず、あえて誤解を恐れずにいえば、データ的に“ダメ”なベースだとも形容できる。
現代的なベースに比べ、ノイジーで、音もまとまりづらく、音程感もみえづらい。
しかし代え難い人間味とテイストがあり、いままで音楽シーンで長く慣れ
親しまれてきた音としても、多くの人々の耳に愛されてきたし
Back To Basic の魅力、元祖の説得力がある。

音楽は総合芸術的で、人の感情と社会情勢を写してたゆたう、答えのない
不確かな要素に満ちている。そこにファッションや美学も容易に入り込んでいく。
俺はいちベーシストとしての個人的美意識のなかで、PBでゴリゴリのファンクから
今どきのR&Bまで弾いちゃう系・・・というスタイルに半端ないセクシーさを感じていた。

その欲求がついに我慢できなくなって2006年夏頃から探し回った。
エレキといえどPBはヴィンテージ市場にも多く出回るクラシックな楽器なので、
選ぶにあたっては都内で40~50本はゆうに弾いて吟味し、最終的にコイツにいきついた。
投機目的による市場が持ち上がったビンテージは、確かに良い楽器もあったけれど
市場での評価基準が、肝心の音・演奏性と比例していない場合が大半で
あり、プレイヤーとして今あえて選ぶメリットは感じられなかった。

これは東京の下町の修理屋が作った、古典へのリスぺクトと、職人気質の光る
丁寧な造りの楽器で、チャコール・フロストという日本人がいかにも好み
そうな繊細なボディの色合いも含め、いぶし銀的風格を漂わせる。
大切に後生に受け継ぎたくなるような、作り手の「モノ」に
対する愛情を感じる、気持ちのいい一本だ。

音に関しては、弱いタッチも敏感に反応してくれるプレベという点では
Fenderよりもお利口。ただ優等生的というよりは、当たりくじ的な良さに近い。
このニュアンス、ベーシストにはなんとなく伝わるよね・・・要するに気持ちいい感じ。
購入後約半年間弾いてきただけだが、既にかなり鳴りは変わってきた。
具体的にはミッド帯域が暖かく膨らんできている印象。

単純な構造だから、ちょっとした音の変化が日々変化として伝わってくる。
これから一体どんな成長を遂げるのかがとても楽しみな、
27歳の自分へのバースデイ・プレゼント。
by watarumble | 2007-09-08 02:35 | Instruments
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ベーシスト、鈴木渉の過去ブログ。(2005.5-2008.7)

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