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EUB考察 ・ 購入にまつわる記録

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エレウッド、アップライトなどという呼称がまかり通る。
最近では猫も杓子も、といえるほど存在感を増してきている分野。

EUB(Electric Upright Bass)の存在が、Bassistの間で選択肢として
重宝されるようになったのは90年代以降、特に近年そのニーズは増加傾向にある。
今日はこのEUBについて、先日に買ったAlterEgoの購入録も含めて書いてみようと思う。



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(1)EUB考察

アコースティック・ベースの不利な点である、重くてかさばる、繊細でメンテナンスが大変
また音響面で電気的な増幅をする場合に、ハウリングなど起こしやすく、音が作りづらい・・・
といったデメリットから、それらのストレスのない手軽なEUBに移行していく流れが大きいようだ。

また、肩から提げるいわゆる「エレキ・ベース」を主に扱うプレイヤー達が、
EUBであれば同環境で容易に縦型のベースを使用できるために、エレベ・プレイヤー
から流れてくる向きもある。EUBは両ベースの橋渡し役的な、いいとこ取り感のある存在だ。

また、EUBは各メーカーごとに、
コンセプトが異なるところに面白さと魅力がある。
バリエーションやラインナップが豊富であり、個性的な楽器の
ひしめく面白い市場。個人的に興味深いと思っている楽器を例に挙げると
エレキベースの利点をそのままに縦型に置き換え、未来的なデザインのNs Designや、
Ampeg Baby Bassを模倣し、ラテン音楽にひたすらマッチする明るいトーンのBSXなどがある。




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・Ns Design CR-5B (左) ・BSX Allegro-4 (右)



様々なタイプのEUBが市場にあるが、最も主流と思われるのはやはり
アコースティックベースならではの質感をEUBにフィードバックしようとするもの。
アコースティックベースには長い歴史があり、クラシックはもちろんジャズの黎明期から
使われてきた楽器なので、観念的なほどの思い入れ、こだわりがプレイヤーには
あって、一朝一夕のEUBでその質感を補うには限界がある。とはいえ、
あくまでアコースティックベースの代用に耐えうるEUBという
観点で多くのメーカーがトライを重ね続けている。


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(2)購入にまつわる記録


僕の最初のベース体験は学生時代に吹奏楽でコントラバスを受け持ったことだった。
椎間板ヘルニアが悪化して引退してからというもの、エレキベースを主に手にするように
なったが、当時の経験を生かしたいとその後にEUBを買った。数年前、YAMAHAが好意で
当時の新製品のEUBを貸してくれてからというもの、EUBというジャンルに興味をふくませていた。

今度のツアーでEUBが必要になると聞き、以前まで使用していたものは総じてS/N比や
プレイ・アビリティに若干の不満を抱えていたため、機材を一新することに決めた。
現在市場に出ているEUBの半数以上はS/Nが悪く、音量を稼ぐとシャーって
ノイズが入る。構造上、ピエゾ・ピックアップが用いられている場合が
多いためなのだろうか・・・大音量で使うのは想定していない
としても、ここらへんは改善してほしい部分である。

EUBを仕事で求められるときの理由は7割がアコースティックベースの
ニュアンス、3割は縦型ベースの絵が欲しいとき・・・だったりする。後者はライブの
場合、結構多い。環境によっては、フレットレスベースでそのニュアンスを出したほうが
手っ取り早いようなシチュエーションでも、見た目おしゃれだから縦型のEUBで・・・みたいな。
気持ちはわかります。だからライン乗りもコントロールも楽な、縦型フレットレスの
ごときNsDesignあたりなら使い勝手いいかな・・・と視野にいれていた。

そして楽器屋にて。Ns Design、割と手頃で、かっこいいしコンセプトは
面白いけれど、所有するフレットレスでこのニュアンスは出ると再確認・・・評判の
Carruthersも中古で出ていたので試した。箱鳴り感がすごくて、すでに部屋鳴りしている
みたいな音がアンプからでてきた。扱いが難しそうだったのでこれも却下・・・。
Landscapeは胴長な形状と、コンプっぽい箱鳴りに少々違和感。
BSXは、アタックがボンボンいうのが楽しすぎて、
ラテンフレーズしか出てこなかったw
上記のように、今回の楽器選びは消去法で狙いが定まっていった。

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・Carruthers SUB-1 (左) ・Landscape SWB Artist(右)


結果絞られた選択肢はひとつ。アコースティック感なら今市場にあるEUBで髄一らしい
アルターエゴ。音のニュアンスと立ち上がり、感触はアコースティックベースを
よく研究しているんだなーと思った。何故ソリッドボディでここまで似る
のかはミステリーだ。音に芯があり、かつて使ってきたEUBの
ように、ハイをあげ硬く作らなくても抜けてくれる音だった。
色々なグレードから、糸巻きが上にあり、オプションが
比較的充実しているBaby Ego Figarro-Cに。

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AlterEgoの上位機種や、それと同等に定評のVEKTORなどは在庫切れ。
Prince小僧の自分としてはRhonda Smithがツアーで使っていたVEKTORに
憧れや思い入れが大きかっただけに、選択肢として考えられないのは残念であるけど・・・
ともあれ、納得のいく楽器に出会えてかなりホッとした。ツアーが差し迫っているからである。

イタリア製なので、最近のEURO高のあおりを受けまくっていて高い。
原油高などに伴い、海外製の楽器は高騰の一途を辿っているのは不安要素。
プレイヤーズ・コンディション(少々の傷や改造はどうであれ、弾く上で問題がない状態)
であれば安く買えるに越したことがないが、奇しくも、購入前日中古で出ていたほぼ同じモデルを
友人のベーシストが買っていったらしい・・・コノヤローww というわけで、EURO高と
前日の話には目をつぶりながら、購入。今年は楽器は買わないって
そういえば思っていたのも忘れたままで・・・

愛していきたいと思います!!


アルコ(弓弾き)の音色にも定評のあるAlterEgoだけに
弓もほしい・・・だれか、ジャーマン式のやつあまってないですか??
by watarumble | 2008-01-17 02:33 | Instruments
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ベーシスト、鈴木渉の過去ブログ。(2005.5-2008.7)

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